July 17, 2004

作業場ぐるり紹介

今日は、作業場である藤井石材店の店先から、ぐるりを見渡してみます。

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まず、藤井石材店の向かいに立ち、城見縄手を望みます。この先に、小泉八雲旧居その他松江の見どころの一つが形成されています。小豆色の建物の奧に荒布屋のひさしが見えます。

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左に回転し、

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バーンと、藤井石材店。灯籠や墓石など石材全般を扱います。少し離れたところに展示場があります。北堀町の鼕行列の練習はこの展示場前でおこなわれます。直会(なおらい:反省会=酒宴)もここでおこなわれます。名の掘っていない墓石をまえに、「ワシのはこれにかいてもらーかなー」と軽口もでます。

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更に右に。北堀橋が見えます。S13年かけ直し、S39年に改修ました。以前は、松江から恵曇その他海側へ抜けるには、この橋を必ず通る必要がありました。城下町ならではの町作りです。

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更に右に。右下に「灘」が見えます。旧日銀支店長社宅は、その前は家老様のお屋敷でした。自分の船着き場を持っているとはさすがです。なお、松江城天守閣の井戸はこの屋敷に通じている、といううわさ話もありましたが、昭和の大改修時に松江城の井戸も調べられましたが、どうもそのような形跡は無かったようです。

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松江城と、仮橋(宇賀橋:北堀橋の掛け替えの時に仮設されたものなので、町民は仮橋と称しています)、と堀川巡りの船。松江らしい情景です。
なお、この仮橋は、NHKで84年放送の「日本の面影(八雲:ジョージチャキリス氏、節:壇ふみさん)」のオープニングで使用されました。松江大橋(現在はコンクリート製)をカラコロ歩く音を、八雲は情景豊かに描いています。


おまけ
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仮橋と荒布屋と船


July 19, 2004

鼕を出す!

8月28日(土)。小泉八雲の愛した石狐の復元を祝い、鼕が出ます(鼕祭)。
大手前広場が会場予定です。
参加町内は、北堀町三区鼕宮保存会その他です。今後、松江鼕行列保存会に図り参加町内が正式に決定します。

復元除幕式催行(8/29)

復元除幕式を8/29(小泉八雲が松江に来た日(8/30)の前日)夜に催行します。
要項詳細は後日発表致します。
大まかには、
7~8時頃、小泉八雲旧居前広場に集合し、境内まで提灯行列
その後除幕式

・小泉凡ご夫妻、根岸さん(小泉八雲旧居所有者(当時より))をお招きします。
・なお、松江松平現当主第15代直壽様、壇ふみさんもお声がけしてみます。

2004 7/02

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写真を撮っているときには、前回とそんなに変わっていないように思いますが、見比べてみると着実に彫り込まれているのがわかります。

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前脚と後脚との間が貫通しています。これで姿勢を変えるのが楽になりました。


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三本という三つの切っ先が設けてある道具で掘っています。毛並みのように筋がついているのが分かります。

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こちらは鶴橋が写っています。また、吊り下げようフック(黄色)が上に移っています。丸みも少しづつできてきました。

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何となくできあがりを想像してしまいます。

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道具たち

July 20, 2004

2004 7/05

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July 21, 2004

2004 7/07 作業15日目

作業15日目です。

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正面。だいぶ狐らしくなってきました。

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りりしいです。

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墨出しの線が見えます。いよいよ、ふっくらしたしっぽが形成されてきます。

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上から。
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墨出し風景。削っては墨出ししていきます。
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良いアングル。
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「三本」で掻いた跡がよく分かります。

July 22, 2004

2004 7/11 建築士会の地域活動

7/11(日)に、建築士会主催の城山巡りをしました。
興雲閣→松江城→城山稲荷神社→北堀橋→荒布屋→八雲庵→武家屋敷・小泉八雲旧居と、地域の方30名を招待して、建築物に地域の話を織り交ぜて楽しんで頂きました。

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松江城。前につけ櫓がついています。接合部分上部には隙間があり、上から槍で突けるようになっています。松江城は築城以来焼けることなく、安土桃山形式を色濃く残しています。二段目までを見ると、大きな寺そのものの造りとなっていることがわかります。

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城山稲荷神社随神門。近所の子供が遊びに来ていました。

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この石は実は手水です。今は水溜部分を下にしてあります。おそらく殿様専用だったと思われます。

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拝殿上部の龍の透かし彫り。HPで紹介しましたが、如泥作です。拝殿中には、同様に龍の透彫がありますが、緻密で重文級です。

2004 7/09

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だいぶスリムになってきました。

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顔はまだ大きいですが、削りすぎるとアウトですので、一番最後に慎重に掘っていきます。

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黒の中心線と、赤の中心線がずれているのが分かりますか?じつは、初代(?)石狐も、少し横に向いています。

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July 23, 2004

2004 7/13 NHK取材

本日はNHKの方が取材下打合せに来られました。
全国版で放送(11月?)されるかもしれません。とりあえず、今日は下打ち合わせですので、いわれや由来など、素地固めの様でした。石狐はもうすぐ城山稲荷神社へ持って上がり、対比しながら微調整をおこなっていきます。

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ディレクター(右)、世話人(中央)、藤井さん(左)

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脚に爪がつけられました。

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かなり作り込まれてきました。

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July 24, 2004

2004 7/14 城山稲荷神社へ移動

粗彫りが終わったので、いよいよ初代の横に載置して作り込みです。

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拝殿右横へ進む。奧に竈が見えますね。

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つり上げように、柱を組んでいきます。

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麻布で保護して

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はい、立ちました。
初代の柵が取り払われています。

ということで、仕上がりまで、藤井賢翁による作業。職人歴70年!!
昼間に行けば会えると思います。

July 25, 2004

2002 07/16 一休み

今日は一休みです。

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July 27, 2004

2002 7/19 山陰ケーブルTV取材

今日は、松江のケーブルテレビ:山陰ケーブルテレビ(通称マーブル)が取材に来ました。

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作業風景を念入りに取材します。
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世話人もコメントしました。

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自然と力が入ります。右から

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左から

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正面。鼻筋がついてきました。

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牙がつきました。また、初代と同様、舌が上あご先端にくっついています。
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初代、二代のそろい踏み!

July 28, 2004

拝殿探訪

本日は、拝殿の中をご紹介致します。

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如泥作。
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額の周りの麻模様は、実に細かく、信じられないことに、辺は向こう側まで通じています。つまり、菱形の各辺は、線描画されているわけでなく板の向こう側まで貫いてあります。国の重要文化財級の龍の透刻です。

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北堀町講中が納めた額

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北堀町の文字が見えます。町の字など、以前の漢字の組み方は比較的自由であったことが伺えます。

July 29, 2004

2004 7/21 目がはいる!

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「のった」しているみたいです。本日のベストショットその一!
ps.のった、とはあごを挙げた状態をいう出雲方言(だとおもいます)。お風呂で子供の首を洗うとき、のったして、というように使います。

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目が入りました。
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少しずつ細面になっています。

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本日のベストショットその2!柵が取り払われている今でなければこのアングルは無理です。

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July 30, 2004

知られざる日本の面影

NHKドラマ「日本の面影」(’84初放映’03再放送)の一コマから。
全4回中第3回の50分前後に城山稲荷神社のシーンです。
随神門手前に石狐が鎮座いしています。
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八雲役にジョージチャキリス、妻セツ役には壇ふみさんでした。

2002 7/27 仕上がりが見えてきました

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だいぶ仕上がりが見えてきました!!とりあえず左の狐の仮仕上げです。

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これも良いショットです。

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見る角度によって表情が異なります。

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今日の作業はこれで終わり。蚊の出る中、汗を掻きながらの作業です。

2004 7/29 夕暮れ

炎天下の中、作業です。
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道具。左が鶴橋。真ん中がノミ、右側が三本。基本セットです。

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墨出し

July 31, 2004

復元完成式 行事予定

石狐復元募金に協力いただいた皆様へ

 松江も114年前と同じように真夏の陽が照り、暑い日が続いておりますが、皆様には暑さの中、毎日頑張られておられることとご拝察致しております。

 さて、春よりの「八雲の愛した石狐の復元をめざす会」の復元募金にご協力いただきまして、ありがとうございます。

 石狐は、6月より北堀町の藤井 賢氏(83歳)と息子さん親子のご奉仕により、1体分300キロの来待石から約100キロの粗彫りを終え、城山稲荷神社の境内で暑い陽の中、仕上げ彫りを続けていただいております。

 石狐の復元完成も8月中旬とめどもたち、復元完成お披露目式の日程および当日の行事を決定致しましたのでご案内致します。

 明治23年8月30日は、ラフカディオ・ハーンが横浜から松江に着いた日です。これにあわせ、8月29日(日曜日)に「小泉八雲没百年記念提灯宵まつり」として式を開催致します。午後7時から小泉八雲旧居前広場で受付を開始、午後8時に稲荷神社の太鼓を合図に、お城周辺の電灯・外灯を消し、八雲のいた明治の明るさをとりもどし、参加していただいた皆様に提灯をお持ちいただき、この明かりで稲荷神社まで行列をしていただき、8時40分頃復元完成した石狐の除幕お披露目を小泉八雲曾孫 小泉 凡 氏をお迎えしておこないます。

 夏の一夜、百十数年前の明治の松江に思いを馳せながら、小泉八雲の世界を体感していただければと企画しましたので、是非多数のご参加をお待ちしております。

 尚、8月1日より3日間「石狐復元募金」のため、荒布屋にて「商家に残る藍の器展」をおこないますのであわせてご案内申し上げます。こちらも多数の皆様のご来場をお待ちしております。

平成16年7月26日
八雲の愛した石狐の復元をめざす会 世話人 石原 幸雄
松江市北堀町215 城見縄手 荒布屋 (石原建築設計事務所)
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